Survival:第6話

 レナがアイランド・オブ・デスへ来てから4日たつ。
 この4日間のうちにヒロタを含む3人を始末した。

 アイランド・オブ・デスには食糧と水を積んだヘリコプターが週に一度来る。
 次のヘリが来るまでに残りの3人、マルヤマ、カトウ、ムラノを片付けなくてはならない。
 そして何とかこの島から脱出したい。
 レナは焦っていた。

 一方、マルヤマたちは島の様子がおかしいことを察していた。
 食事の配給のときに集まる人数がだんだん減っているのだから。
 マルヤマたちは3人でつるんでいることが多いので、疑いの矛先は当然レナに向けられた。
 食事の後、マルヤマはレナに言った。
「おまえはこれから洞穴でおとなしくしてもらう。理由はわかっているよな」
「何のこと?」
「とぼけるな! おまえがヒロタたちをやったんだろう」
「馬鹿な。私は女よ」
「いや、おまえは普通の女じゃねえ。何しろ男だけの受刑島に送られてくるぐらいだからな」
「おい、カトウ、ムラノ、しっかり見張っておけよ」
「はいっ!」
「はいっ!」

 この時からレナは洞窟でカトウとムラノと過ごすことになった。
 レナが外にトイレを済ませに行くときも、どちらかがついてきた。
(まいったな。もう日にちがないっていうのに……)

 ◇◆◇

 夜になった。
 カトウは洞穴の隅でいびきを立て、ムラノは寝ずに番をしている。
 2人は交代でレナを見張っているようだ。
 外からは静かな波の音と、どこか懐かしい虫の声がする。

 レナはムラノに小声で言った。
「トイレ行きたくなっちゃったんだけど」
「こんな夜中に。仕方ねえなぁ」
 ムラノは重い腰を上げ、レナと洞穴の外へ出た。

 レナは物陰で用を済ませると、待っているムラノに話しかけた。
「ねえ、少し話そうよ」
「話? まあいいだろう」
 ムラノも退屈だったのだろう。
 しばらく2人で他愛ない話をした。
 さて帰るかとなったころ、レナが意を決したように言った。
「一緒にこの島を出ない?」
「え?」
「ここにいたって、このままの生活が続くだけよ。いつ殺されるかもわからないし」
「そりゃそうだけど」
「私ね、ムラノとだったら島を脱出できると思うの。2人で何とか知恵を絞れば。ね?」
レナはムラノにぐいぐいと胸を押し付けた。
「俺だって脱出を考えたことがないわけじゃないけど……」
「こんなところで死ぬのを待つのは嫌。私、ムラノだけの女になるから。とりあえずカトウをやっつけて。お願い」
「うーん、カトウがいなくなっても、マルヤマさんがいるし」
「マルヤマって強いの?」
「動きは鈍いけど、力はあると思うぜ」

レナはムラノから離れ、真正面に立って言った。
「ムラノとカトウってマルヤマとつるんでるけどさ、それって忠誠心とかじゃないでしょ」
「……」
「3人でいるほうが、他の奴らから狙われにくいってメリットがあるからでしょ」
「そうかもしれない……」
「だけど、もう他の奴らはいないんだよ。つるむ理由なんてないでしょ。それにあと何日かしたらヘリが来る。それまでにこの島を出ないと。チャンスは今しかないんだよ!」
 レナは腕っぷしだけではなく、頭もいい。
 理路整然とムラノに切り込んでいった。

 ムラノは数分考えた後、口を開いた。
「……よし、わかった。カトウを始末する」
「ありがとう。そしたら、マルヤマを私たち2人で片付けて、脱出方法を考えよう」
「うん、それでだな」
「何?」
「実は俺とカトウで筏(いかだ)を作っているんだ」
「筏?」
「まあ、その話は後でするさ。それよりカトウのところへ戻ろう」
 2人は洞穴へと向かった。


第7話へ続く

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