「どうしたらいいんだろう」
「僕にもわからないよ」
2人の少年は頭を抱える。
「ごめんなさい。私もいつまでも3人で仲よくしていたいけど、どっちかに決めなさいってお母さんが言うの」
「じゃ、ローズと結婚できなかったほうは、他の女の子と結婚しなきゃいけないってわけ?」
「そういうことになるわね」
「ああ……」
少年たちは深いため息をついた。
「そうだ!」
フランツが口を開く。
「ローズはどっちと結婚したいの?」
「それがね、わからないの。だって、どっちも好きなんですもの」
それからも隠れて3人での交合を続けた。内心自分を選んでほしい少年たちは、前にもましてローズを満足させようと頑張った。
『どうだ、僕のおちん×んのほうが大きいだろう』
『僕のおちん×んなしではいられなくさせてやる』
フランツとトーマスの競争心は日ごとに増していく。ローズは狂ったように声を上げ続けた。
「ああっ、いいわ! もっと突いて! 私の中にいっぱい出してちょうだい!」
3人でセックスを楽しんだある日のこと、少年たちはローズを家のそばまで送っていった。
「ローズ、またね」
「フランツ、トーマス、またしましょうね」
ローズが家に入るのを見届けると、フランツはトーマスに話しかけた。
「トーマス」
「何?」
「これからのことについて少し話さないか?」
「うん、いいよ」
2人は村外れの荒れ地に向かった。赤い夕日が今にも落ちようとしている。
「トーマス、僕ね、どうするのが一番いいか考えたんだけど」
「ん?」
「いつまでも3人で一緒にいたいけど、ローズはどっちかと結婚しなきゃいけないんだろう?」
「そうだね」
「だったら、とりあえず僕かトーマスのどっちかと結婚して、残ったほうは時々通ってきてローズとおま○こするっていうのはどう?」
「でも……」
「でも?」
「やっぱり正式に結婚できたほうが立場が上だよね。どっちがとりあえずローズと結婚するわけ? ローズはどっちも好きだから選べないって言ってたよ」
「トーマス、そりゃあねぇ」
「何だよ」
「えーと、つまりね、僕の家のほうがトーマスの家より畑が広い。牛もたくさんいる。だから、僕と結婚したほうがローズは幸せになれると思うんだ」
「───!」
「もちろん、トーマスも時々うちに呼ぶよ。そしたらローズのおま○こを貸してあげる」
トーマスの両手は硬く握られ、ぶるぶると震えている。しばらくそのまま我慢していたが、堰を切ったように叫んだ。
「ふざけるな!」
「トーマス!」
「自分に都合のいいことばかり言いやがって!」
トーマスは今にも殴りかからんばかりの形相だ。
「ちょっと待って。トーマス、そんなに怒らないで」
「うるさいっ!」
トーマスはフランツの左頬を目がけてこぶしを振るった。
「うわっ」
こぶしは命中し、フランツは尻をつく。
「この際どっちもローズをあきらめよう。それが一番いい方法だと思う」
そう言い残し、トーマスは立ち去った。
フランツは頬を押さえながら立ち上がり、トーマスをつけた。トーマスに気づかれないように何メートルも後からそうっと歩いた。
トーマスが深い谷の縁にある道を歩いている最中、フランツはトーマス目がけていきなり走り出した。
トーマスが振り向こうとした瞬間、渾身の力を込めて谷に向かって突き飛ばす。フランツの目には谷に後ろ向きに落ちていくトーマスがスローモーションにように映る。
「フランツ……何……うわーーーーーっ!」
何秒後かわからないが、谷底にある川からドボーンと音がした。
フランツは自分の両手を見た。一体自分は今何をしたんだろう。震えが止まらない。
とにかくここから去らなくてはと思い、足をもつれさせながら家まで走った。
◇◆◇
「トーマス!」
数日後、ずっと下流のほうで変わり果てた姿のトーマスが発見された。
「どうしてなの? 返事してよ! こんなの嫌よっ!」
ローズは泣き叫んだ。
最後に一緒にいたフランツが疑われたが、普段から一人で村をぶらつくことが多かったトーマスは、谷に花でも見に行って足を滑らせたんだろうということで片づけられた。
「ローズ、これからは僕一人で君を守るよ。トーマスの分まで幸せになろう」
「フランツ……」
しばらくしてローズとフランツは結婚。誰の目にもこの世で一番美しくて幸せな新郎新婦に見えたことだろう。
そして数ヶ月後、ローズは赤ちゃんを産んだ。トーマスそっくりな黒い髪と瞳の。
どこからか声が聞こえてくる。
『いつまでも3人一緒だよ』
◇End◇
